『素数たちの孤独』ハヤカワepi文庫
『素数たちの孤独』
パオロ・ジョルダーノ 著
飯田亮介 訳



スキー中の事故で脚に癒せない傷を負ったアリーチェ。けた外れの数学の才能を持ちながら、孤独の殻に閉じこもるマッティア。この少女と少年の出会いは必然だった。ふたりは理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら大人になった。だが、ささいな誤解がかけがえのない恋を引き裂く―イタリアで二百万部の記録的ベストセラー!同国最高峰の文学賞ストレーガ賞に輝いた、痛切に心に響く恋愛小説。
<裏表紙の解説より>





p.169 素数とは1とそれ自身でしか割り切ることができない。自然数の無限の連なりのなかの自分の位置で素数はずっと動かず、他の数と同じくふたつの数の間で押しつぶされてこそいるが、その実、みんなよりも一歩前にいる。彼らは疑い深い孤独な数たちなのだ。



素数と聞くと素因数分解が頭に浮かぶ、それは遠い遥か昔のことだけれど、詳細は今や不明。

著者は1982年生まれのイタリア人。トリノ大学大学院博士課程修了。専攻は素粒子物理学だからこのタイトルには納得できる。

齢70を前にするばあさんは(私ね)、そりゃあ誰でも唯一なのだから素数だろ、だから孤独だろ、なにを今更感はあるけれど、著者の年齢を考えれば(それに小説だし〜)一言で済ますと元も子もないのですがね。

日頃自身の孤独感や、他人から感じる独りよがりの寂しさや拒絶感をこういう本を読んで見つめ直すと同時に、この主人公二人のように自分で抱えてしんどい思いをしている彼らを前にすると、上手く紛らわせて生きるってそんなに簡単なことじゃないと素直に認めるけれど、生きるための術を知ることも必要だしね。

青春です、青春^^


どのみちその孤独感は自分で最後まで持っていくものなんだし、何やかやあってもこの二人はちゃんとそれを学んで自分のことは自分で引き受ける力を得たのだと思います。


些かタイトル負けしているけど、映画化もされたようです。





コメント

はにゃ。
2022年2月15日16:04

タイトルが素敵。
なんとなく、数学好きな作者なら結構容易に思いつきそうなタイトルだけれど。へへ。

hana
2022年2月15日22:05

はにゃ。さま^^

私も本屋でタイトル見て買いました(笑)

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