『国語教師』  集英社
ユーエディト・W・タシュラー 著
浅井晶子 訳
『国語教師(Die Deutschlehrerin)』を読む。

著者はオーストリアの女性作家で出版されたのは2013年。
日本で訳本が出たのは2019年5月とまだ新しい。
聞いたこともない作者だし単行本なので、滅多に焦って(?) 買わないのだけれど、この浅井晶子さんの訳本をまた読みたくてAmazonで思わずポチってしまった。


内容(「BOOK」データベースより)
十六年ぶりに偶然再会した、元恋人同士の男女。ふたりはかつてのように物語を創作して披露し合う。作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。しかしこの戯れこそが、あの暗い過去の事件へふたりを誘ってゆく…。物語に魅了された彼らの人生を問う、ドイツ推理作家協会賞受賞作。



届いた日の午後に読み始めたら止まらず。
その日の夜中に寝床の中で読み終えました。


過去の話が始まるのは二人が再会することになる2011年の秋から。
それが16年ぶりの再会というのだから1990年代が過去の話の舞台となる。
二人のメールでの遣りとり、実際に再会してからの会話、またはそれぞれのひとり語りが時系列ではなくて前後しながら進む。
その絡み合いがまったく読み難くないのは作者の技量だと思うし、それはとても新鮮だった。

本当にやってられね〜よ! とあきれ返るほどのいい加減なろくでなし男なんだけれどなかなかのハンサム、優男。で、いますよね?そんな男に惹かれる堅実で聡明な女性って。

恋愛には賞味期限がある、と私は思っていますが、その賞味期限にも温度差はあるようで、この物語では二人が語る噛み合わない言葉のちぐはぐも最初は笑える。途中である誘拐事件の話が組みこまれてくるけれど、それがこの作品の軸になっているとは思えない。

これはミステリーでも推理小説でもなく、恋愛小説ですね。

先日読み終えた同じ訳者の『リスボンへの夜行列車』にとても感動したので期待しすぎたようです。もちろん訳者がせいではありません。
その本についてはまた後日。





コメント

yasai
2021年2月18日15:41

hana様
 
ありがとうございます 読んだ気に させて貰えます ウレシイ

hana
2021年2月21日21:14

yasaiさま^^

> 読んだ気に させて貰えます

ふぅむ... ...、それは困った(笑)

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