『ハロルドとモード/ 少年は虹を渡る』
2020年6月20日 映画 コメント (2)
昨夜は『ハロルドとモード/ 少年は虹を渡る』のパッケージを破いた。
ストーリーはまったく現実味のない設定だ。
ハロルドの種々の狂言自殺とそれを見てもびくとも動じない母親の反応。
もうこれはギャグ映画?と思ってしまうくらいだった、それもそれほど笑えないけれど^^
誰にも心を開かず死ぬことばかり考えている(でも、死なないのだけれど)
若者と、79年生きてきた可愛いおばあちゃんは僅かな時間だったけれど
生と死を間近に感じながらその時間を懸命に過ごしたことがよくわかる。
前半はそれほど入り込めなかったけれど、後半になると製作者が散らばめたこの作品の意味が見えてきた気がした。
制作は1972年。
その時代背景を考えると、ベトナム戦争末期のアメリカ、墓地一面に同じ形の墓石が並ぶ風景を目にすると、あの戦争でこれだけの死者が出たのかとわかる。
そうか、この映画はそういう死生観も表現しているのか。
なるほどね。
いい映画でした。
また観たい。
裕福な家庭に生まれた19歳のハロルドは、母親の前で様々なバリエーションの狂言自殺を演じるという悪戯を趣味にしている。過保護な母親からジャガーXKEをプレゼントされたハロルドは、それをわざわざ霊柩車に改造し、見知らぬ他人の葬儀に参列するのが日課でもあった。
いつものように他人の葬式を傍観していたハロルドは、隣席の老婦人に声をかけられる。それは彼にとって運命的な出会いであった。その老婦人、モードは79歳で、ハロルドと同じように他人の葬式に忍び込むのが趣味だという。アナーキー精神の持ち主であるモードは、排気ガスに汚されている街路樹を引き抜き、白バイを盗んで、山に植え替えに行った。天衣無縫なモードに、ハロルドはいつしか恋心を抱くようになる。
若き日をナチスの強制収容所で過ごしたこともあるモードは、「人生というフィールドでは全力でプレイしなさい。でなきゃロッカールームで退屈するんだから。」と、厭世感に見舞われていたハロルドを励まし、彼も徐々に生きる気力を取り戻していく。モードが自分の人生になくてはならない存在であると確信したハロルドは、デートの後に彼女に求婚する。2人は年齢差をものともせず、その夜に結ばれた。
ところが、人生に満足したというモードは若いハロルドのためを思って、80歳の誕生日の日に服毒自殺を遂げた。「こんなに素晴らしい人生の終わりは無いわ。」とモードは言う。彼女は病院に運ばれたが、あっけなく亡くなってしまった。
ひとり残されたハロルドは、改造霊柩車を崖にめがけて走らせていく。車は崖っぷちからはるか下に転落した。寸前に脱出したハロルドはその光景を一瞥すると、モードから贈られたバンジョーを弾きつつ立ち去って行った。
ストーリーはまったく現実味のない設定だ。
ハロルドの種々の狂言自殺とそれを見てもびくとも動じない母親の反応。
もうこれはギャグ映画?と思ってしまうくらいだった、それもそれほど笑えないけれど^^
誰にも心を開かず死ぬことばかり考えている(でも、死なないのだけれど)
若者と、79年生きてきた可愛いおばあちゃんは僅かな時間だったけれど
生と死を間近に感じながらその時間を懸命に過ごしたことがよくわかる。
前半はそれほど入り込めなかったけれど、後半になると製作者が散らばめたこの作品の意味が見えてきた気がした。
制作は1972年。
その時代背景を考えると、ベトナム戦争末期のアメリカ、墓地一面に同じ形の墓石が並ぶ風景を目にすると、あの戦争でこれだけの死者が出たのかとわかる。
そうか、この映画はそういう死生観も表現しているのか。
なるほどね。
いい映画でした。
また観たい。
コメント
見終わった時の気持ちが何とも爽やかでしたよ。
私も好きです。