父vs.娘

父は耳が遠い。
三年ほど前から補聴器をつけているが、何度も調整に行ったけれど、
この半年ほど何の役目も果たしていないようだ。
本人も辛いだろうけれど、周りも結構イラつく。
何か伝える時には真正面から高くないトーンでゆっくり話さなければならない。

私はどんな事もちゃんと相手に分かって欲しいというたちなので、
父が分かってくれるまで何度も繰り返す　（だから、疲れるのだけれど）
母は、まったくそういう気になれない（ならない？）人なので、言っても言いっ放し。
相手が分かっていようはいまいが関係ないのだ。
だから、二人では会話にならない。
聞こえないのだから応じようもない。
そうするうちに父は益々話さなくなっている。

私と話す時、父はなぜか聴こえているフリをする。
これが私をいつもイライラされる原因なのだ。
聴こえてないのに適当に返事をするものだから、
私が伝わったと思っていても実は何にも伝わっていないのだ。
だから、後々話が食い違う。
聴こえないなら何度でも繰り返すから、と言っても
歳のせいか体調のせいか、聞過ごすのだろう。

でも、哀しいかな
父は話しかけて欲しいのだ。
それも私にはよく分かる。


今日、おやつの時にコロナウイルスの話になった。
云々は、以下省略(笑)だけれど、
戦争の話になった。
延々と話す私をニコニコして聴いていた。
おっ!! 今日は調子いいね^^と思った。

で、最後に彼が一言。
「外国にも銭湯は多いんやろうか」

は？
ああ、戦争と銭湯と聞き間違えてたのね。
「そやね」と一言返した。



この数日、寝床に入ると胃痛が始まるのです。
原因はわかっている。