『 COLD WAR / コールド・ウォー 』
去年、ほぼ同じ時期に二人の異国の友人がこの映画を観てきたと言っていたので日本での公開を心待ちにしていた。
週末のシアタールームはほぼ満席で、中高年の観客が多かった。
とにかく、音楽が良かったです♬


1951年、東西冷戦下のポーランドから始まる。
冷戦下を描くならモノクロしかない。

1952年、主人公の男性の方が西側に亡命する( 女性も亡命する予定だったが果たせなかった)。

1954年、舞踏団のツァーでパリやってきた女と再会する。

1955年(だったかな?) 公演中の女に会うために男はユーゴスラビアまで行くが直ちに強制送還されてしまう。

1957年(不確) イタリア人と偽装結婚して合法的にパリにやってきた女と男(パリではフランス女性と暮らしていた) は一緒に暮らし始めた。しかし、そんな時間は束の間で女は姿を消し連絡が取れなくなってしまう。

ポーランド、ベルリン、パリ、ユーゴスラビアと(結構目まぐるしく) 場面が変わる。その度に二人は別れと再会を繰り返すことになるが、会っていなかった時間に何があったのか?
そこを知りたいところだが、それを語るのは音楽だ。
無駄な台詞はない。

男性はピアニスト、女性は歌手だ。
ポーランド民謡の力強い声と地響きするような舞踊を舞う女。→ 東
パリのナイトクラブでジャズを演奏する男。→ 西

最後の場面はポーランド。
16年前に見たあの風景が広がっている(ことに観客はすぐに気づくだろう) 。
十字路でバスが停車し、二人は降りた。
死ぬまで離れない。
東西冷戦下で二人はその約束を貫いたが、
余韻を残す最後だった。


最後のクレジットで流れるのは
グレン・グールドの「ゴールドベルク変奏曲」

https://www.youtube.com/watch?v=NvtoaHaG6ao

余韻は続く♬






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東西もだけれど、男女の対比も興味深かった。

二人は全てを犠牲にしてそれを貫いた。
いや、全てを犠牲にしたのは女だけであって、
男は犠牲にするものすら持ってなかったのだが。
いや、ひょっとすると女にも犠牲にしたという感覚はなかったのか?

それにしても、女は強い。
生き延びるためには何でもする。
彼女も故郷で結婚し子どもまでもうけていた。

しかし、それだけでなく
最後は全てを捨てるのだから。







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