『パイロットの妻』  新潮クレスト・ブックス
アニータ・シェリーヴ 著
高見浩 訳

読むのは二度目。
前半のストーリーは覚えていたけれど、後半と結末はさっぱり忘れてしまっていました。当時、結構評判になっていたように思う。
娘も読んだらしくて、彼女は結末ははっきり覚えているけれどそれにたどり着くまでのストーリーはすっかり忘れてるんですって。私とは真逆ですww


深更に響くノックの音―。それはキャスリンを絶望の淵へと追いやる序奏だった。夫が操縦する旅客機の墜落。ひとり娘と悲嘆に暮れる間もなく、不穏な情報が次々と彼女を苛む。さらに、夫が遺したメモからは耐えがたい現実が浮き彫りにされてゆく。平凡な暮らしを営んできた妻に問いかけられる家族の絆、そして“人を知る”ということの意味。全米で280万部を突破した痛切な長篇。



後半半ばで、何となく結末が見えた! と思ったけれど… …、
違ったみたいです(笑)


〇〇を知っている、とか
〇〇を信じている、とか言うけれど、
僅かなきっかけで当たり前だと思っていたことも、瞬く間に違った意味を帯びてくるのはよくあること。

この場合はその〇〇が十数年生活をともにした夫であった。
妻は娘を守るために真実を探し始めたが、露わになった本当の夫の姿は彼女にとっては(たぶん)想像もしなかったことだった(私には想像ついたけれど 笑)

ってことも、往々にしてあることですね。


秘密のない人なんているのだろうか?
それがどういう類のものであっても。
胸に手を当てて振り返ってみればいい。


よくわからなかったことは、
夫の単なる浮気という裏切りだったのか、それとも最後の方に出てくるけれどIRAに関係していたからなのか?
その辺の背景を希薄に感じた。
と言うか、IRAに無理に絡ませているような気がしないでもない。


とても印象に残った場面がある。
P.353
 結婚指輪を指から抜いて、海中に投げ捨てた。
 ダイヴァーたちにも、ジャックの遺体は見つけられないだろう。ジャックはもうこの世に存在しないのだ。
「大丈夫かい、奥さん?」
若い漁師が、片手を舵輪にかけたまま、操舵室から身をのりだした。心配そうに、額に皺を寄せている。
 キャスリンはにこっと笑って、うなずいた。
 一つの愛から解放されると、こんなにも肩が軽くなるものか。
 








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