座席

退院して一週間、娘宅と両親宅を行ったり来たりしている。
二日はこちら、その次の三日はあちら... ...、みたいな生活。
どちらの家でもおさんどんが主な仕事^^
幼稚園も春休みに入ったので、一番大変なお迎えからは解放された。

家の中ではほぼ普段通りに動けるようになった。
でも、外出すると気のせいかも知れないけれど目眩を覚えたり、足元が覚束なかったりする。人混みに行くと別世界に来たみたいな違和感があって、身体が宙に浮いたようになるし胸がドキドキしたり、つかみどころがない感じがしてそういう場所では少しウロウロすると呼吸が激しくなるのか気がつけば肩で息している。
本格的な社会復帰にはまだ時間が必要なようです。

娘宅の帰りにA駅から電車に乗る。
乗降客は多いけれど、ターミナル駅の始発なので一つ遅らせて並んで待って乗ると座れる。
降りる駅まで25分くらいなので普段なら立って帰るのは平気だけれど、この日は座りたかったので先発ではなく次発の電車に乗ることにした。

当然、座れた。10分後に発車する。
夕刻だったので仕事帰りの人達だろう、次々と乗ってきてあっと言うまに立っている人でいっぱいになった。
私が座っていたのは６人がけシートの一番端っこ、ドアのそば。
そろそろ発車という時に一人のご婦人が乗って来て私の前に立たれた。どう見ても私より高齢者だ。右手にバッグ、左手に大きな紙袋を持っている。

もう、ひぇ〜!
いつもの私なら何の躊躇もなく席を立っていた。
けれど、退院してまだ数日足らず、座るために一つ見逃したのに。
私の横に座っている若い女性は携帯を触っていて顔は下向き、その隣は私くらい歳に見える男性。
若いから席を立て、とは思わないけれど。
だって、私のようにそれぞれ理由があって座っているかも知れないから。
どうしたものか？と考えているうちに電車は発車した。

最初の停車駅まで10分足らずだけれど、このご婦人は両手が塞がっていてつり革を持てない、で揺れるたびにふらふらと寄り掛かってくる。
「お荷物をどうぞ（私の）膝に置いて下さい」って言うと不審に思われるかな？
と言うより、
この方も座りたければ（彼女がそう言ったわけでもないので、知らないけれど 笑）私のように次のに乗ればいいのに、と考えたりして
せっかく座ったのに全然楽な気分になれない。本を開けることもできない。
居心地最悪。

最初に停車するM駅に着いた。
M駅では1/3ほどの乗客が降りた。
私は席を立った。
そのご婦人がそこに座った。

すぐそばのドアから降りて隣の車両に乗り換えた。
私が降りるのは二つ先の駅、ここから15分くらいだ。
少しふらついたけれど15分後に駅に到着した^^
一件落着♪