『もう年はとれない』 創元推理文庫
ダニエル・フリードマン 著
野口 百合子 訳

とにかく日本語訳が素晴らしくて、それがこの作品を楽しくしていると思う。
邦題が『もう年はとれない』とあったので、読み始めた時にこの87歳の元刑事が活躍するも、最後には死んでしまうのかと思ってしまったけれど。
『DON’T EVER GET OLD』という原題を日本語にすればそうなるのか?

捕虜収容所でユダヤ人のあんたに親切とはいえなかったナチスの将校が生きているかもしれない―臨終の床にある戦友からそう告白された、87歳の元殺人課刑事バック・シャッツ。その将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られ、周囲がそれを狙ってどんどん騒がしくなっていき…。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いい主人公を生み出した、鮮烈なデビュー作!



87歳の高齢者であるからこそ、その口から吐き出される毒舌が痛快で、このセリフは原書ではどう書かれているのだろうか?と知りたくなったことが何度もあった。
話の筋よりそちらの方が気になったのでした(笑)

当然だけれども、つくづく翻訳ものは訳者の腕次第だなと思う。








コメント

はにゃ。
2019年1月29日9:22

わたしもこの作品大好きです。今調べたら2014年刊行なんですね。そんなに前だったっけ?とちょっと、いえ、かなりビックリ。その年のベスト5に入れた記憶があります。第2作も出てますしね。おじいちゃんカッコ良い!

野口百合子さんの翻訳は素晴らしいですよね。読もうか迷った時に彼女の訳書だと背中を押される感じ。つくづく翻訳って日本語力ですね。

hana
2019年1月29日20:55

はにゃ。さま^^

ホント! 素晴らしい翻訳ですね。女性なのにあのじいさんの毒舌をあんな風に訳せるなんて!!

私はぴったりな日本語に訳すのがとても苦手です。あれって感性かなぁ?
たまに学生の訳を聞いて「さすが〜!、私には無理やわ... ...」と感心することがあります。

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