『許されざる者』 創元推理文庫
2018年12月9日 本 コメント (2)
レイフ・GW・ペーション作
久山葉子訳
ラーシュは執拗に犯人を探し、それを突き止める。
しかし、その犯人に罪を償う4つの方法を提案した。
そして、その提案(犯人が罪を認めること)を受け入れるなら一週間後に電話してくるように、と。
ラーシュはすべきことを終え、楽しみにしていたヘラジカ狩りに故郷へと向かう。
果たして、ラーシュの予想通りに解決したのか?
「マックス、お前は神を信じるか」
「神様なんていないと思います」
マックスが首を横に振った。
「なぜだ」
「だってもしいたら、おれをグラツダンカの孤児院なんかに入れなかったと思う。おれはほんの子供だったんだ。他人に対して何も悪いことはしていなかったのに」
理不尽な犯罪の犠牲となり、
解決されないまま時効となり
悪質な犯罪者はのうのうと普通の市民として生活している。
あなたはそれを許せるだろうか?
当事者である犠牲者やその家族となれば
それを許せるだろうか?
私なら許さない、と断言できる。
その犯人も許されなかった。
ラーシュはいずれ近いうちに死が訪れることを知っていた。
しかし、それがすぐ目前に迫っていたとは、彼も思ってはいなかっただろ。
たぶん私たち多くがそうであるように。
久山葉子訳
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元捜査官や介護士を手足に、事件を調べ直す。犯人をみつけだし、報いを受けさせることはできるのか。スウェーデンミステリ界の重鎮による、CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝く究極の警察小説。
ラーシュは執拗に犯人を探し、それを突き止める。
しかし、その犯人に罪を償う4つの方法を提案した。
そして、その提案(犯人が罪を認めること)を受け入れるなら一週間後に電話してくるように、と。
ラーシュはすべきことを終え、楽しみにしていたヘラジカ狩りに故郷へと向かう。
果たして、ラーシュの予想通りに解決したのか?
いかなる慈悲も与えるな。
命には命を、目には目を、
歯には歯を、手には手を、
足には足を……
(申命記十九章二十一節)
「マックス、お前は神を信じるか」
「神様なんていないと思います」
マックスが首を横に振った。
「なぜだ」
「だってもしいたら、おれをグラツダンカの孤児院なんかに入れなかったと思う。おれはほんの子供だったんだ。他人に対して何も悪いことはしていなかったのに」
理不尽な犯罪の犠牲となり、
解決されないまま時効となり
悪質な犯罪者はのうのうと普通の市民として生活している。
あなたはそれを許せるだろうか?
当事者である犠牲者やその家族となれば
それを許せるだろうか?
私なら許さない、と断言できる。
その犯人も許されなかった。
ラーシュはいずれ近いうちに死が訪れることを知っていた。
しかし、それがすぐ目前に迫っていたとは、彼も思ってはいなかっただろ。
たぶん私たち多くがそうであるように。
コメント
こんばんは。コメントうれしいわ♫
時効法の改正がわずかに間に合わずで成立、ってところもこの作品を面白くしてましたね。 同じように、彼もその解決を見ることなく、だったけれど。 マックスの深みが、どこまでもカッコ良かったです。
ただ、訳に今一つの感があって、あれ?と意味がわからなくてなったことも。
それにしても結構な長編で、眼が辛いったら... ...(泣)