『そしてミランダを殺す』 創元推理文庫
2018年5月13日 本 コメント (2)
原題 “ The Kind Worth Killing ”
ピーター・スワンソン 著
務台夏子 訳
滅多に新刊は読まない( 理由は特に無い 笑 )けれど、図書館のお薦めコーナーにあったので手に取ってみた。
偶然出会った見知らぬ女性に半分冗談(?)でそういう事を話したとしても、その申し出をまともに受け取るだろうか?
などと言っていては物語始まらないわけだけれど。
相変わらず男性は美しい女性に弱く、そんな女性を信じてみたくなるものなんだと,
そしてコロリとどつぼにはまるものなんだと
私も、相変わらず再々々々々、、、認識した。
そんなことで、そんな理由で、そんな罠にはまって命落とすなよ、と。
せつなさはもとより、痛ましさまで覚える。
殺したい者、狙われる者、殺すつもりの者、それに利用される者、事件を追う者、それぞれのモノローグで話が進む。
モノローグを重ねてみて、あぁそういうことね、と。
第1部の最後に起こる予想外の出来事で、面白さへの期待感が一気に増したけれど、そのあたりが最高潮だったかな?ww
すべて終わったのだ。これからは静かな生活を送り、二度と誰からも傷つけられないように注意していこう。そして生きのびよう。草地であの夜、満天の星が頭上に光を振り注ぐなか、実感したように、自分の持って生まれた倫理観が普通とは異なることを実感しつつ。それは動物の倫理—牛やキツネやフクロウの倫理観であって、正常な
人間の倫理観ではないのだ。p.377
わたしは自分が殺した人々のことを思った。その姓をわたしがいまだ知らない画家のチェット。人生がまだ始まりもしないうちに死んだエリック・ウォシュバーン。そして哀れなブラッド・ダゲット。おそらく、ミランダ・セヴァーソンをひと目見た瞬間から、彼に助かるチャンスはなかったのだろう。わたしは胸に痛みを覚えた。 なじみ深い感覚ではないが、なんの痛みかわかった。それは、自分のしたことに対する後悔やうしろめたさから生じているわけではない。そうしたものをわたしは感じていなかった。犯した殺人のどれについても、わたしには理由が—正当な理由があったのだ。そう、その胸の痛みは孤独感から来るものだ。この世にわたしの知ることを知る者は他にひとりもいないということから。p.391
彼女は人間の倫理観ではない(かも知れない)けれど、彼女の生い立ちがそれを認めるかも知れない。
殺人を犯す者にとって、そこにはいつも正当な理由があるからだ。
そして、彼女の行為はもちろんおぞましいけれど
これだけやれば(?)彼女に最後まで失敗はして欲しくない、とどこかで願っいる自分がいたことも事実だww
自分を傷つけた相手を憎むことと、その相手に復讐をすることは別物、
のはずだ。
ピーター・スワンソン 著
務台夏子 訳
実業家テッドは空港のバーで見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻ミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し協力を申し出る。だが殺人計画が具体化され決行日が近づいたとき、予想外の事件が……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者攻防描くミステリ!
滅多に新刊は読まない( 理由は特に無い 笑 )けれど、図書館のお薦めコーナーにあったので手に取ってみた。
偶然出会った見知らぬ女性に半分冗談(?)でそういう事を話したとしても、その申し出をまともに受け取るだろうか?
などと言っていては物語始まらないわけだけれど。
相変わらず男性は美しい女性に弱く、そんな女性を信じてみたくなるものなんだと,
そしてコロリとどつぼにはまるものなんだと
私も、相変わらず再々々々々、、、認識した。
そんなことで、そんな理由で、そんな罠にはまって命落とすなよ、と。
せつなさはもとより、痛ましさまで覚える。
殺したい者、狙われる者、殺すつもりの者、それに利用される者、事件を追う者、それぞれのモノローグで話が進む。
モノローグを重ねてみて、あぁそういうことね、と。
第1部の最後に起こる予想外の出来事で、面白さへの期待感が一気に増したけれど、そのあたりが最高潮だったかな?ww
すべて終わったのだ。これからは静かな生活を送り、二度と誰からも傷つけられないように注意していこう。そして生きのびよう。草地であの夜、満天の星が頭上に光を振り注ぐなか、実感したように、自分の持って生まれた倫理観が普通とは異なることを実感しつつ。それは動物の倫理—牛やキツネやフクロウの倫理観であって、正常な
人間の倫理観ではないのだ。p.377
わたしは自分が殺した人々のことを思った。その姓をわたしがいまだ知らない画家のチェット。人生がまだ始まりもしないうちに死んだエリック・ウォシュバーン。そして哀れなブラッド・ダゲット。おそらく、ミランダ・セヴァーソンをひと目見た瞬間から、彼に助かるチャンスはなかったのだろう。わたしは胸に痛みを覚えた。 なじみ深い感覚ではないが、なんの痛みかわかった。それは、自分のしたことに対する後悔やうしろめたさから生じているわけではない。そうしたものをわたしは感じていなかった。犯した殺人のどれについても、わたしには理由が—正当な理由があったのだ。そう、その胸の痛みは孤独感から来るものだ。この世にわたしの知ることを知る者は他にひとりもいないということから。p.391
彼女は人間の倫理観ではない(かも知れない)けれど、彼女の生い立ちがそれを認めるかも知れない。
殺人を犯す者にとって、そこにはいつも正当な理由があるからだ。
そして、彼女の行為はもちろんおぞましいけれど
これだけやれば(?)彼女に最後まで失敗はして欲しくない、とどこかで願っいる自分がいたことも事実だww
自分を傷つけた相手を憎むことと、その相手に復讐をすることは別物、
のはずだ。
コメント
復讐なのだけれど、妙にしーんと静かな復讐で。
邦題も、オチも、あーーーそうきたかーと結構面白かったです。
いった何でしょうね、この不思議な気持ちは?
オチの、あーーーそうきたかー、という感じもすっごくよくわかります。
それにしても、老化のせいか一冊よむのに時間がかかりますわ 泣