『キネマの神様』

2016年8月5日
過日、珍しく書店で購入。
原田マハ著『キネマの神様』です。

読み出したら止まらず、一気に読了。
読み応えあり、す〜っごく良かったです。
大切にしたい一冊になりました。
原田マハの映画に対する愛情物語です。

懐かしの映画タイトルが次々と現れてあれこれ思い出に浸りました。
しかし、何より心打たれたのがゴウさんとローズバッドがネットでやり取りし合う映画評論の中に込められた映画に対する純粋で率直な想い。そしてやり取りするうちに通じ合う想い、生まれる友情。

[p.285:親愛なるゴウ
  君は友人に、なにか見返りを求めるのだろうか?  また、映画を観ることで、  なにか物理的に満たされることを期待するのだろうか?
  もしも君が私に同じ質問をしたとしたら、私は即座に答えるだろう。 たった   二文字、「NO」と。]

特に『フィールド・オブ・ドリームス』についてのやり取りの件は
読みながら何度涙したことやら……上手いっ!原田マハ!!


原田マハの文章は(と言っても読んだのはまだ二作品のみ 笑)些か丁寧すぎて説明過多と感じることもあるのですが、この作品に関しては(だから、まだ二作品しか読んでませんが www)そんなことは気にならず^^すっかり引き込まれてあっと言う間に読み終えてしまいました。
それにしても、いったいどんだけのモノが詰まってるんでしょう、映画には!


人生、いつ・どこで・どういうきっかけで、何が起こるか分からない、ってとっくに知ってはいるけれど、不幸に見舞われた時には何で私だけ? (この主人公の場合は、誤解から会社を辞めることになった、父が大病を患った、父の借金、就職先を探さねばならない等々が一時に!)これからどうやって生きて行く?と当然ネガティブ思考に陥る。
幾つになっても最後まで諦めるな!ってことですね。

一所懸命な人にはきっと神様がついている、と思わせてくれた作品でした。
誠実さ、率直さそしてユーモアがあれば、きっと誰かが手を差し伸べてくれる!


それにしても、まだまだずっと見ていたかったです、ゴウさんとローズバッドのやり取り。





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