借り出してきた東野圭吾著の本を続けて2冊読む。

 一冊目の『夢幻花』の感想はパス。
 二冊目がこれ『禁断の魔術 ガリレオ8』です。

 どちらかというと、人気作家や人気作品は避けてしまうのですが
彼の作品で既読のものは『手紙』と『容疑者Xの献身』の2冊しかありません。
映画も観ました。
二作品とも泣きました。

 私にとって、東野作品の良し悪しは
「泣ける」が鍵のようです。

 『禁断の魔術 ガリレオ8』は
「透視す(みとおす)」「曲球る(まがる)」「念波る(おくる)」「猛射つ(うつ)」の4章から成っています。
 登場するのは
ご存知草薙刑事と友人である湯川准教授、そして草薙の後輩刑事である内海薫(彼女には姓だけじゃなくて必ず名前がセットで書かれています)。

 読み応えのあったのは最後の「猛射つ」です。
 ガリレオこと帝都大学の天才湯川准教授(私はすっかり福山雅治のイメージで読んでいましたが)の科学的なトリック解明よりも、冷静さを失わない彼がみせる深い人間的な温かさに(またまた福山雅治を重ねて)、泣けるし。
東野作品のエンターテイメント性は高いです。


[ 指示の内容は簡潔だった。反対派をまとめてほしい、というのだった。当時、計画に対して様々な意見が入り乱れていたが、反対派は結束していなかった。
 勝田は奇異な感じがした。反対派がまとまったら、推進派としては厄介なのではないか。するとイシハラは朗らかに笑い、こういった。
「勝田さん、戦争を思い浮かべてくださいよ。本隊のないゲリラがあちらこちらに散らばってたんじゃ、一網打尽というわけにはいかない。今回の件も同じです。反対派が、あっちでぎゃあぎゃあ、こっちでわあわあいってる状態では、話を進めにくくて仕方がない。どうせ生後は金ですべてを解決させるんだから、システムを確立したほうがいい。しかもこちらに都合の良いシステムでをね」
 珍しい話じゃありませんよ、とイシハラは何でもないことのようにいった。
「この手の計画を実行する時、よく使われる手です。反対運動、大いに結構。そういうことがあったほうが議論を尽くしたっていう感じがする。問題は引き際です。反対派だって、いつかは刀を鞘に収めなきゃいけない。そんな時、空気を読めない人間がリーダーだと、話が長引くだけで双方にとって良いことなんて一つもない。だから勝田さん、あなたのような人が必要なんです」]


あ、ここが泣けたわけではありません。






コメント

ありす
2015年8月5日6:04

良かったです!

hana
2015年8月5日20:53

ありすさん^^

ありがとうございます〜〜。
もう、うれしくてワクワクしています。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索