五月。
朝起きて、家中の窓を開けて
光と風をいっぱい取り込む。
風さえもきらきらと輝いているよう。
どこを見ても青葉が目に映る。
電車の中からそんな景色を眺めていたら
緑って初々しい子どもの匂いだよね~、と。
不意にそんなことが頭に浮かんだ。
風が若葉の匂いを運ぶ。
二十数年前の五月の連休の一日
親子5人で奈良公園に行ったことを思い出した。
新緑の中を3人が駆け回っていたこと、
お弁当を広げたこと、
3人が並んでお寺を写生していたこと、
その時着ていた服まで覚えている。
電車を降りて
実家へ向かう。
庭には躑躅がこんもりと。
青いモミジも涼しげに風に揺れていた。
薫風。
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