生憎の空模様、出かけるなら傘を持って行かなくちゃ。
隣県の病院まで電車を2回乗り換えて約1時間半、
車窓に映った、間近に迫る新緑が美しいでした。

帰りは、
ほぼ2ヶ月ぶりに映画館へ。
観たかったのは『そこのみにて光輝く』です。
原作は41歳で早逝した作家佐藤泰志の小説の映画化です。
私は未見ですが、2012年にはこの作家の『海炭市叙景』が公開されていて
二つの作品の舞台は同じ函館です。
原作を読んでないし、この作家のことも殆ど知らないのですが
どうしても観たかった理由は
池脇千鶴の演技を観たくなったから。


寒々しい夏の函館でのひと夏の物語なのだけれど、
凄かったわ~、
演技が。
池脇千鶴は想像難くないけれど
菅田将暉も綾野剛も、
高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰次郎の面々の
演技がそりゃあ凄まじいのです。
生易しいことしている人は一人もいません。
どの演技も怖いです。
痛みが走ります。



菅田将暉は初めて見た俳優さんなのですが
彼の演技が際立っていて、
見た途端に圧倒されました。
びっくりした~。
大声でつまらないことを喋りまくるのですが
嫌気が差すぐらいの無邪気さが強烈に伝わってくるし
それでいていつか壊れるのではないかと思わせる危うさを感じさせて怖いほど。
いつその時が来るのだろうか、とドキドキしました。

池脇千鶴は期待を裏切らない演技。
この人のためにあるような役柄でした。
自分を犠牲にしてまでも貧しい家族から逃れることのできないどこまでも哀しくて強い女と、
綾野剛の過去の傷に悩まされ続けてきたけれど彼女を愛したことで家族を持ちたくなった男の純粋なラブストーリーなのだけれど
何度も言いますが
その状況も一人ひとりの演技も
とにかく凄まじいのです。
叫び声が聞こえそうです。
痛くて、哀しい、悲痛な叫び声。


実は、彼の出ている作品はこれまでろくに見たことありません。
綾野剛は何故か生理的に受け付けなかった俳優さんでした(笑)
しかし、それが…
彼女に一目ぼれして、その境遇を知りとても悩むのだけれど
ひとたび彼女を愛し始めれば、うつろな目つきは何とも優しい眼差しに変わり
不器用だけれど一途に彼女を守ろうとする姿は痛いほどの愛を感じさせます。
綾野剛って、こんな演技する人だったんだ……。
愛することってそういうことだったのだと。


『そこのみにて光輝く』
この題名の意味が
見終えた時にズシリと心に。



そこ?
唯一のそこ?
心の底?






http://www.youtube.com/watch?v=lf3zKEMwSgo








コメント

ハーフサイズ
2014年5月1日22:55

hanaさま

ここで拝見してとても観たくなったので昨日行ってきました。
それぞれが抱える問題が、今の日本の現状と重なっているように思えて、20年前に書かれたものとは思えませんでした。
一日経っても映画の中の色んな場面が浮かんできます。

ありす
2014年5月3日16:16

綾野剛……。好きなんですよ。憑依的な演技をしますよね。この作品も、多分WOWOWでやるまで待ちます。楽しみです。(⌒▽⌒)w

hana
2014年5月4日1:05

ハーフサイズさん^^

お返事が今頃になり申し訳ありません。

私も翌日まで色んな場面がリフレインしていました。
どの問題も強烈だけれど、人間の逞しさも感じさせてくれる映画でしたね。
車に乗る火野正平さんもかっこ良かったです^^

hana
2014年5月4日1:05

ありすさん^^

綾野剛ファン必見ですよ~。
私はこれまでの彼の演技は知らないのですが、実に素晴らしかったです。
っていうか、もうそれぞれが凄いんです。
絶対に見逃さないで下さいね!

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