もちろん、ひとりで観賞してきました。
重いテーマを扱っていてたし、二人芝居ということで
一言も聞き逃すまい、と身構えてしまって
見終わった時には結構な疲労感……笑
終身在職の内定を受け新居を買おうとしていた大学教師のジョン。ある日、教え子の女子学生キャロルが彼の研究室を訪れ、授業についていけない単位が取れない、苦労してやっとこの大学に入れたのに、そしてジョンの著書も全て読んだけれども理解できない、言葉が難しくて解らない、私はバカだから……。
ジョンは本気でキャロルを相手にする気はなかった、何故ならこの最中に彼の妻から新居購入のことで電話がかかってきていたし、そのためにすぐにでも研究室を出なければならなかったから。手早く済まそうと彼の理論を説明するのだが、キャロルは全く理解できず増々パニックに陥る。彼はキャロルの言いたい事は自分にも分かると繰り返し、自分も昔は授業についていけなかったことがあった、教師への不信感もあったと彼女をなだめようとするが、キャロルとの言葉の遣り取りはますます混乱をきたすばかり。(この辺では、キャロルが何を言いたいのか……観ている方も分からなくなってくるのです)
ジョンは彼女を説得するために、より論理的に話を進めようとする。問題を解決できないままで取り乱したキャロルが部屋を出ようとすると、ジョンは彼女を引き止めて解決策を提案する。これから二人で授業をして彼女の成績をAにしてくれると言う。
後半は前半とは状況ががらりと変わる。ジョンに呼ばれてキャロルが部屋に来たのだが、彼女の服装も態度も前半とは一変している。キャロルがジョンの言動を不服とし審査会に訴状を出していた。ジョンはその件について話し合いたいと言うが彼女は全て訴状に書かれている通りで話し合うことはない、と言う。その訴状とは、彼が部屋で学生である彼女と二人だけになり知識や権威をもってキャロルを見下したり、性差別や卑猥な発言、セクハラ行為があったと書かれている。そして、彼女曰く、その告発は彼女とその仲間の問題だとまで言い出し、それに反論するジョンを論理的に追いつめて行く。今度はキャロルのことが理解出来ないという立場になるジョンだった。ジョンの不理解さに苛立ち帰ろうと部屋を出る彼女を引き止めようとすると、彼女は悲鳴を上げた。
再びキャロルが彼の部屋に行く。審査会での裁定が下りたジョンは失職するという結末が待っていた。前回の訪問時に彼女を無理矢理引き止めた時のことで、暴行とレイプの告訴もされた。ただ、キャロルは彼が条件さえのめば告訴を取り下げてもいいと提案する。その条件は、ジョンの著書を禁書とすることという彼にとっては屈辱的とも言えるものであった。追いつめられてついに怒りを爆発させてしまったジョンはキャロルを殴り、倒れた彼女に椅子を振り上げた。
と言ったあらすじです。
原作はアメリカのデイヴィッド・マメット、知りませんでしたがあの映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の脚本家だそうです。この『オレアナ』は1992年の作品。
本作の主演は、田中哲司と志田未来でした。
キャロルには申し訳ないけれど、その現場を見ていた観客としては、
ジョンの肩を持ってしまいました。
キャロル、あなたがそれをセクハラと呼ぶなら
それをセクハラは認めるとしよう。
しかしです、
いったい何?!!その変身ぶりは!!!
それはないでしょ……もう唖然。
あんなに言葉の意味が分からない〜〜、って泣きついていた女子学生が
突如、変身して教授をやり込めるくらいの能弁になるわけ?!ちゃんと議論出来てるやん。
逆襲が半端なく続き、どこまでも一致は見られず、ジョン自身も取り乱すしかなく。
いったいその食い違いは何??????(「藪の中」を連想しました)
と、場面が急変した時は何だかイライラするのですが
そのうち、気づき始めました。
何を?
何も分かっていなかったジョンにです。
自らの言動や態度、行動に
時代について行ってないその思考に。
コミュニケーション力の無さに。
僕は君の悩みや苦しみをちゃんと理解しているよ、という無意識のうちにある傲慢さに(はぁ〜、むかつきますよね!「君のことは分かっているから」って言うヤツなんて^^
成績が悪いからって相手のことを軽く見下すんじゃないよっ!ざまあ見ろ!私だって言いたい)
果たして、ジョンはそのことに気づくのでしょうか?
(無意識というのがさらに厄介なのですが)
セクハラという言葉は、今では一般的に普通に使われている言葉だけれど、
その重みというか威力はすごいものなんですね。
当然、言葉だけのセクハラもあります。
自分はそんなつもりではなくても
(つもりが無くてもあってもそれは関係ないです。相手はいやがってなかったのに、も言い訳にはなりません)
いきなり訴えられて
挙げ句の果てには職まで失うとなると、家族への責任も果たせない。
家族崩壊?
一女学生の告訴で?
権力の壮大な逆転劇ですやん。
感想:職場で自分の部下に女性が多い男性はこの作品を観ておいた方がいいかも^^
重いテーマを扱っていてたし、二人芝居ということで
一言も聞き逃すまい、と身構えてしまって
見終わった時には結構な疲労感……笑
終身在職の内定を受け新居を買おうとしていた大学教師のジョン。ある日、教え子の女子学生キャロルが彼の研究室を訪れ、授業についていけない単位が取れない、苦労してやっとこの大学に入れたのに、そしてジョンの著書も全て読んだけれども理解できない、言葉が難しくて解らない、私はバカだから……。
ジョンは本気でキャロルを相手にする気はなかった、何故ならこの最中に彼の妻から新居購入のことで電話がかかってきていたし、そのためにすぐにでも研究室を出なければならなかったから。手早く済まそうと彼の理論を説明するのだが、キャロルは全く理解できず増々パニックに陥る。彼はキャロルの言いたい事は自分にも分かると繰り返し、自分も昔は授業についていけなかったことがあった、教師への不信感もあったと彼女をなだめようとするが、キャロルとの言葉の遣り取りはますます混乱をきたすばかり。(この辺では、キャロルが何を言いたいのか……観ている方も分からなくなってくるのです)
ジョンは彼女を説得するために、より論理的に話を進めようとする。問題を解決できないままで取り乱したキャロルが部屋を出ようとすると、ジョンは彼女を引き止めて解決策を提案する。これから二人で授業をして彼女の成績をAにしてくれると言う。
後半は前半とは状況ががらりと変わる。ジョンに呼ばれてキャロルが部屋に来たのだが、彼女の服装も態度も前半とは一変している。キャロルがジョンの言動を不服とし審査会に訴状を出していた。ジョンはその件について話し合いたいと言うが彼女は全て訴状に書かれている通りで話し合うことはない、と言う。その訴状とは、彼が部屋で学生である彼女と二人だけになり知識や権威をもってキャロルを見下したり、性差別や卑猥な発言、セクハラ行為があったと書かれている。そして、彼女曰く、その告発は彼女とその仲間の問題だとまで言い出し、それに反論するジョンを論理的に追いつめて行く。今度はキャロルのことが理解出来ないという立場になるジョンだった。ジョンの不理解さに苛立ち帰ろうと部屋を出る彼女を引き止めようとすると、彼女は悲鳴を上げた。
再びキャロルが彼の部屋に行く。審査会での裁定が下りたジョンは失職するという結末が待っていた。前回の訪問時に彼女を無理矢理引き止めた時のことで、暴行とレイプの告訴もされた。ただ、キャロルは彼が条件さえのめば告訴を取り下げてもいいと提案する。その条件は、ジョンの著書を禁書とすることという彼にとっては屈辱的とも言えるものであった。追いつめられてついに怒りを爆発させてしまったジョンはキャロルを殴り、倒れた彼女に椅子を振り上げた。
と言ったあらすじです。
原作はアメリカのデイヴィッド・マメット、知りませんでしたがあの映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の脚本家だそうです。この『オレアナ』は1992年の作品。
本作の主演は、田中哲司と志田未来でした。
キャロルには申し訳ないけれど、その現場を見ていた観客としては、
ジョンの肩を持ってしまいました。
キャロル、あなたがそれをセクハラと呼ぶなら
それをセクハラは認めるとしよう。
しかしです、
いったい何?!!その変身ぶりは!!!
それはないでしょ……もう唖然。
あんなに言葉の意味が分からない〜〜、って泣きついていた女子学生が
突如、変身して教授をやり込めるくらいの能弁になるわけ?!ちゃんと議論出来てるやん。
逆襲が半端なく続き、どこまでも一致は見られず、ジョン自身も取り乱すしかなく。
いったいその食い違いは何??????(「藪の中」を連想しました)
と、場面が急変した時は何だかイライラするのですが
そのうち、気づき始めました。
何を?
何も分かっていなかったジョンにです。
自らの言動や態度、行動に
時代について行ってないその思考に。
コミュニケーション力の無さに。
僕は君の悩みや苦しみをちゃんと理解しているよ、という無意識のうちにある傲慢さに(はぁ〜、むかつきますよね!「君のことは分かっているから」って言うヤツなんて^^
成績が悪いからって相手のことを軽く見下すんじゃないよっ!ざまあ見ろ!私だって言いたい)
果たして、ジョンはそのことに気づくのでしょうか?
(無意識というのがさらに厄介なのですが)
セクハラという言葉は、今では一般的に普通に使われている言葉だけれど、
その重みというか威力はすごいものなんですね。
当然、言葉だけのセクハラもあります。
自分はそんなつもりではなくても
(つもりが無くてもあってもそれは関係ないです。相手はいやがってなかったのに、も言い訳にはなりません)
いきなり訴えられて
挙げ句の果てには職まで失うとなると、家族への責任も果たせない。
家族崩壊?
一女学生の告訴で?
権力の壮大な逆転劇ですやん。
感想:職場で自分の部下に女性が多い男性はこの作品を観ておいた方がいいかも^^
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